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水先案内人のおすすめ

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映画から自分の心を探る学びを

伊藤 さとり

映画パーソナリティ(評論・心理カウンセラー)

私たちの声

日本はまだまだ女性をエンパワーメントする作品が少ない。いや少なすぎる。その理由に若い女性の主演作はあるけれどほぼ恋愛映画だし、男女W主演の場合、主演女優サイドを「ヒロイン」と言ってしまう文化も個人的には引っかかる。どちらも主演で良いし区別する感覚が私には分からない。恋愛だけが女性の幸せではないのだ。 この映画は世界で戦う女性を主人公にしたものであり、女神というより世界各国で戦う女神たちが主人公の物語。その理由は社会で生きていくには戦わなければいけないことも多く、ジェニファー・ハドソンが主演を務めた実話の物語では、幼い頃に大人によって人生を狂わされてしまった女性が自分とも戦い、誰かの為に未来を切り開く姿が描かれる。 日本で描かれる戦う女性は自身も子供を持つ監督・呉美保と、同じく俳優業をしながら子育ても頑張る杏による作品。呉監督が注目した尊敬すべき女性は、ズバリ「母親」。1週間の母親の行動を手持ちカメラで見ることで、母親になった女性が休む暇なく動き回り、子供のことしか考えていない姿が浮き彫りになっていく。神業のような朝食作りと三人分の記憶力。ひとりを楽しむ時間なんて全くないといえるシングルマザーの姿。けれどこれはシングルマザーだけではないルーティーンなのではないか。子育てに積極的な男性が増えることを願い、私は映画を見届けた。

23/9/2(土)

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