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イヤな映画、主人公の悲劇がお好み
真魚 八重子
映画評論家
グランツーリスモ
23/9/15(金)
TOHOシネマズ日比谷
監督は『第9地区』『チャッピー』のニール・ブロムカンプ。今までSFテイストの映画を撮ってきた監督だが、本作は実話に基づく物語だ。ゲーム『グランツーリスモ』の世界記録保持者たちを集め、本物のレーサーにしようという奇想天外な話である。最初は周囲から「おたくゲーマーが実際の現場で何ができるってんだ?!」となめられるが、彼らは元々勝気な若者だから、想像以上に奮起する。そのためこれが、まさに正統派スポ根映画に仕上がっていて、夢や挫折、事故からの再起といった定番がすべて詰まっており、意外にも泣かされてしまうのである。自分はレーサーの夢を果たせなかったおやっさんが、主人公の青年に自分の技術をすべてそそぎ込んで二人三脚で頑張るのも、胸が熱くなる。二人が打ち解ける夕焼けからル・マンの晴れ舞台への展開は感動!
23/9/9(土)