Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

社会を映しだす映画をわかりやすく紹介

池上 彰

ジャーナリスト、名城大学教授

旅するローマ教皇

全世界13億人を超えるカトリック教徒の頂点に立つローマ教皇フランシスコ。彼は初めての南米出身の教皇です。アルゼンチンで生まれ、清貧をモットーとした司祭は、やがてローマ教皇に選ばれました。世界は貧困と憎しみと悲しみに満ちています。そんな人々に会い、共に祈りを捧げる。彼の世界の旅は2013年から9年間で53か国に及びました。その映像記録です。 北アフリカからの難民は地中海を渡ってヨーロッパを目指しますが、しばしば乗っている船は転覆し、多くの人が亡くなります。教皇は、その現場に足を運び、悲劇を直視しようとしない世界の人々に静かに訴えかけます。 武器輸出大国のアメリカでは武器の輸出を告発し、被爆国日本では黙祷を捧げます。カトリック教会の聖職者による児童に対する性的虐待について謝罪したことは、大きなニュースになりました。 1054年にキリスト教は東西に分裂し、カトリックと東方正教会は互いに相手を破門しますが、教皇はロシア正教の総主教と会い、和解を進めました。 イスラム教との和解を進め、イスラエルとパレスチナを訊ねて中東問題の解決を呼びかけます。 彼は信者に語りかけます。「大切なのは夢を見る力。あなたが変える未来の夢を」 世界はどれだけ悲劇に溢れていることか。でも、それを変える希望を失ってはいけない。教皇は、それを私たちに語るのです。

23/9/25(月)

アプリで読む