サム・メンデス演出によるロンドン版も、ジャック・オブライエン演出によるブロードウェイ版もたまたま観ているが、どちらも正直、“ファミリー・ミュージカル”の域を出ていない印象だった。それなりに面白くはあるのだが、これほどの題材にしては物足りないというか映画版に負けているというか、ミュージカルとしての“決定版”がまだ生まれていないというような。
そこにきて、ウォーリー木下の演出、増田セバスチャンのアートディレクションによる日本版である。増田は『ウィズ~オズの魔法使い~』の美術がトニー賞級に素晴らしく、いつかまたミュージカルをやってほしいと思っていた。ひょっとしたらここ日本で、決定版『チャーリーとチョコレート工場』が誕生したりするのかもしれない。