選んだ作品に外れなしと言われるベン・アフレックと“おもしろい映画”作りには定評のあるロバート・ロドリゲス監督がタッグを組んで作られた『ドミノ』はちょっと形容不可能な映画だ。ベン・アフレック演じる刑事ダニー・ロークが現実と見紛う世界に踏み込み、はまっていくどんでん返しのドミノの連鎖。ラストに待ち受けるのは「想像の3周先を行っている」と評されている驚愕のラストで、94分の間、革新的な映像とも相まって瞬きさえも許されない。そして「観客が次の動きを予測できたとしても、そのまた次、さらにその後までは読めないはず。それだけたくさんのひねりを与えようと思ったが観客を混乱させることになってはいけない」という言葉がこの手の映画にありがちな訳のわからないものになっていないことの答えだろう。共演者たちのアンサンブルも申し分ない。

23/10/20(金)