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夏目 深雪
著述・編集業
第36回東京国際映画祭
23/10/23(月)~23/11/1(水)
シネスイッチ銀座、 丸の内TOEI、 角川シネマ有楽町、 TOHOシネマズ シャンテ、 TOHOシネマズ 日比谷、 ヒューマントラストシネマ有楽町、 丸の内ピカデリー、 ヒューリックホール東京、 丸ビルホール、 東京ミッドタウン日比谷、 東京宝塚劇場
『満江紅(マンジャンホン)』10/28(土)10:00 ・31(火)18:30 「第36回東京国際映画祭」(10/23〜11/1)で上映 2021年から東京国際映画祭のプログラミング・ディレクターに就任した市山尚三氏はジャ・ジャンクーのプロデューサーを務めるなど中国映画に明るい。コロナ禍や当局の検閲の影響か昨年、一昨年は中国映画が不作だったのだが、今年に来て一気に花開いた感がある。 コンペティション部門はグー・シャオガン監督の『西湖畔に生きる』と、今年の5月に惜しくも亡くなったチベット人監督ペマ・ツェテンの『雪豹』、新人監督ガオ・ポンの『ロング・ショット』と3本も上映されこちらも楽しみなのだが、今回はガラ・セレクションで上映される巨匠チャン・イーモウ監督の『満江紅(マンジャンホン)』を紹介しよう。 非業の死を遂げた南宋の武将・岳飛が残した詩『満江紅』は中国人なら誰でも知っている詩だという。この詩をモチーフに、南宋朝廷内部に渦巻く複数人の謀略を描いた歴史劇。脚本に4年かけたというだけあって、アクション要素は少なめで、どんでん返しに次ぐどんでん返しが非常にスリリング。また、残虐さよりも時折挟まれるユーモアが特徴的で、監督も日本の観客がどう受け取るか不安だったというが、会場が笑いに包まれていたのを見て安心したという。
23/10/26(木)