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水先案内人のおすすめ

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平辻 哲也

映画ジャーナリスト

正欲

人とは違った欲や価値観を持つ人々の姿をひとつのうねりとして描いた群像劇『正欲』。朝井リョウによる、この小説は40万部以上のベストセラー。これは今の世の中がいかに生きにくいのか、という証左なのかもしれない。 原作では、男性3人が起こした衝撃的な事件を出発点にもってくる仕掛けで、読者を前のめりにさせるのだが、港岳彦脚本による映画はこれを大胆に構成し直している。最初は登場人物の日常を見せ、徐々にそれぞれの「欲」を見せていく。その分、冒頭には入り込みにくさも。登場人物のキャラや相関関係もつかみにくいが、後半になるに連れ、面白さが出てくる。 出演者でも際立つのは、磯村勇斗だ。極度の水フェチで、他者に対して性欲、恋愛感情を持たないアセクシャルな男性という難役。津久井やまゆり園の事件をモチーフにした『月』でも、犯人「さとくん」を見事に演じきっており、今年の映画賞の助演男優賞の筆頭候補だ。原作と読み比べると、一層面白い。

23/11/1(水)

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