売り払われる寸前の農場を立て直そうと納屋に”キャバレー”をオープンさせてしまったフランスのある地方の酪農家の実話を基にして作られた『ショータイム！』のおもしろさは、これこそがB級エンタテインメントの極致と言えるものだ。祖父の代から続いている農場を舞台に展開する物語の主人公ダヴィッドを演じるのは、これもよく出来ていたフレンチ・コメディ『セラヴィ！』でも抜群の演技で楽しませてくれたアルバン・イワノフ。ダヴィッドが偶然入ったナイトクラブで惚れ込み、タッグを組むパフォーマーのボニーを演じるのは社会派作品に多く出演していたが、ダンサーとしての才能も開花させたサブリナ・ウアザニ。テンポ感も絶妙で、観ているうちに、ふと、川島雄三監督のことを思い出した。

23/11/26(日)