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落語、講談、浪曲など演芸全般をカバー

長井 好弘

演芸ジャーナリスト(元読売新聞編集委員)

らくごカフェに火曜会年末スペシャル

神保町らくごカフェは、席数50足らずの小さな劇場だが、若手落語家が「背伸び」をできる貴重な場所である。二ツ目仲間がテーマを決めて腕を競う会、二ツ目が若手の人気真打の胸を借りる会など、「攻めているなあ」という回が毎月目白押しだ。年末にも目立つ会があった。立川龍志と春風亭柳枝の二人会。同じ「りゅうし」という名を持つ同士という珍しい顔合わせというだけでなく、方や個性豊かなメンツが集まる立川流の中にあって年々評価が高まっている立川龍志、此方柳派の大名跡を継ぎ、さらなる飛躍を期待される春風亭柳枝という新旧実力派の競演でもあるのだ。どちらもフツーの落語をフツーに演じて面白い。年の瀬に落語らしい落語を味わえる幸せを噛み締めたい。

23/12/8(金)

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