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水先案内人のおすすめ

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平辻 哲也

映画ジャーナリスト

みなに幸あれ

Jホラーの第一人者、清水崇が選考委員長を務める「日本ホラー映画大賞」の第1回大賞受賞作の映画化。霊的な存在は一切登場せず、村の掟や風習、人間の本性の恐ろしさをジワリと見せてくれる。『ヘレディタリー/継承』や『ミッドサマー』のアリ・アスター監督作品の匂いもする。 舞台は「誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている」という考えが根付く村。村人たちは、ある秘密を共有し、互いに黙認している。幸せの真実を知った主人公(古川琴音)は、正しいことを実践するが、次々と裏目に出てしまう……。 村人たちの笑顔が不気味。幸せそうに見えるほど、その裏では残酷な出来事が起こっていると分かるからだ。そして、後味がすこぶる悪い。これが一般映画なら、文句の一つも言いたくなるが、ホラー映画には褒め言葉になる。 監督の下津優太は33歳のCM、MVのディレクター。同じ内容の短編映画が認められ、商業デビューとなった。製作陣は世界配給も視野に入れているそうだが、新たなJホラーにどんな反響があるのか楽しみだ。

24/1/21(日)

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