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笠井 信輔
フリーアナウンサー
哀れなるものたち
24/1/26(金)
TOHOシネマズ 日比谷
「女性の自立」をこのような形で描ききるとは! アカデミー賞有力候補はウソじゃない。 自殺を図った主人公(エマ・ストーン)が赤ちゃんの脳を移植され蘇った。大人の体を持った無垢な女性が誕生するのだが、美しきフランケンシュタインの怪物のご乱行を見せられているようで、戸惑いの前半。しかし、彼女が言葉を覚え、自分の考えで生き出す後半、私たちは気づく。子供の頃から刷り込まれる社会の仕組みが、教育が、男女の格差を生み出しているということを……。 娼婦になっても前向きなヒロイン。#MeToo運動の中、エマはこの作品でプロデューサーを務め、成人映画のような表現も厭わず体当たりの演技で旧態依然とした男たちに新しい価値観を突きつけるのだ。
24/1/5(金)