初めて『はえぎわ』を観たのはどの公演だったのか。舞台の上の方で突然ひまわりが狂ったように咲き、狭い空間に圧迫陳列の如く詰め込んだ舞台セットから役者が滑り降りるシーンで、無念にも途中で止まったりしていた。また別の公演では、「地震だ!」というセリフとともに舞台セットが揺れ始め、さらに「地震が何日も止まらない」という物語のもと、そのまま1時間以上舞台が揺らされ続けたこともあった。酔った。バスの中でスマホのメールを読むだけで吐きそうになるくらい三半規管の弱い私は、劇場内で完全に乗り物酔いした。カオス。それも香ばしいほどのカオス。初期の『はえぎわ』は、キレッキレのセリフと、「行き先はボールに聞いてくれ」...