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高松 啓二
イラストレーター
サン・セバスチャンへ、ようこそ
24/1/19(金)
新宿ピカデリー
今年89歳になるウディ・アレン監督の新作。大学で映画を教えていたモートは、映画広報の妻スーとサン・セバスチャン映画祭に参加するが……。モートを演じるのはウォーレス・ショーン。ウディ作品には、傍役でほぼ出演し続けている。それだけに今作で主役というのはウディ作品を見続けた者として嬉しい。ウディ本人のようなキャラクターをショーンが一生懸命演じているのは可笑しくも可愛い。ただし、ボタンダウンシャツにアーミージャケットのウディスタイルはイマイチ似合ってなかったかな?また妻のスー役のジーナ・ガーションもB級映画などでイイ味出してきたが、本作では往年のソフィア・ローレンを思わせる程の貫禄で作品に華を添える。随所に『市民ケーン』、『勝手にしやがれ』など名作映画をもじった夢(モノクロで再現)が現れ、こそばゆい笑いを誘う。ウディ作品としては標準的なコメディ作だが思わぬキャスティングに心が躍った。
24/1/13(土)