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平辻 哲也

映画ジャーナリスト

カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~

私事になるが、今年56歳。気だけは若いつもりでいるが、年齢的には人生の後半にさしかかっている。いつまで働けるか、老後はどんな生活を送ろうか、と考えている。そんな中で、諸先輩の生き方は多いに参考になる。 『魔女の宅急便』で知られる児童文学作家・角野栄子さんに4年間、密着したドキュメンタリー。20年から22年にNHK Eテレで全10回放送した番組を再編集した。 角野さんは1935年東京・深川生まれの88歳。鎌倉の自宅はテーマカラーという「いちご色」のインテリアに囲まれ、身につけるファッションもカラフル。トレードマークの個性的な眼鏡は作品が完成するごとに自分へのご褒美として買っている。笑顔が絶えず、衰えなんか感じさせない。 そんな角野さんは5歳で母を亡くし、戦争を経験。結婚後24 歳でブラジルに渡り、その実体験を基に35歳の時に『ルイジンニョ少年:ブラジルをたずねて』で作家デビューした。映画ではモデルのルイジンニョと62年ぶりに再会を果たすエピソードが感動的。人柄、ファッション、ライフスタイルすべてが魅力的。人生は、角野さんのようにカラフルでありたい。50代以上の方にぜひ見ていただきたい。2016年にロングランヒットした『人生フルーツ』にも通じるものがある。

24/1/24(水)

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