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クラシック業界ご意見番

東条 碩夫

音楽評論家

東京フィルハーモニー交響楽団 第996回サントリー定期シリーズ

”チョン・ミョンフンが東京フィルを指揮、「田園」「春の祭典」”      東京フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会、2月は名誉音楽監督のチョン・ミョンフンが指揮する。彼が指揮する演奏会は、この数年来、おしなべて快演、豪演の連続だから、今回も期待して間違いない。 しかもプログラムは、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」と、ストラヴィンスキーのバレエ曲「春の祭典」だ。前者はベートーヴェンの創作力が絶頂にあった時期の名作で、「田園に着いた時の楽しい感情の目覚め」(第1楽章)に始まり、小川のほとりの情景、村人の集い、嵐などの情景がイメージ的に描かれて行くという、明るく叙情的な交響曲である。また後者はこれと全く対照的な曲想で、未開時代の原始的宗教の儀式を題材に、生贄(いけにえ)の少女が太陽の神に捧げられるまでの模様が複雑な変拍子や強烈なダイナミックスで描かれて行くといった「物凄い」音楽だ。 「春の訪れ」に相応しい2つの作品だが、曲想は全く違う。チョン・ミョンフンの指揮のもと、東京フィルの熱演を楽しみにしよう。 2月22日(木) サントリーホール 2月25日(日) オーチャードホール 2月27日(火) 東京オペラシティ コンサートホール

24/2/14(水)

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