私にとって「この人が歌うなら絶対に行かなくちゃ！」という歌手の一人がバスのミケーレ・ペルトゥージ。端正で滑らかな歌唱、柔らかくて深い声、高貴で洗練された響きでベルカント・オペラやヴェルディ作品で現代最高の評価を受ける彼が、ついに新国立劇場に登場だ！ 『ドン・パスクワーレ』は19世紀前半まで隆盛を極めたオペラ・ブッファの最後を飾るドニゼッティの傑作。喜劇ではあるが、どこか微笑ましく、ほろ苦い思いも浮かび上がる主人公の老人をペルトゥージなら完ぺきに表現してくれるだろう。 これほどスタイリッシュなバスの美声と達者な演技を、ライヴのオペラで味わえるのは実に貴重な機会。オーソドックスで美しい演出も見ものです。

24/1/28(日)