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水先案内人のおすすめ

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政治からアイドルまで…切り口が独創的

中川 右介

作家、編集者

四月になれば彼女は

現在と、数年前と、10年ほど前の、3つの時間が交錯して描かれる。 表面上の「謎」は、結婚式直前になって、なぜ長澤まさみ演じる獣医が、すでに一緒に暮らしている佐藤健演じる精神科医のもとから、姿を消したか。しかし、第3の人物である、佐藤の元カノで写真家になっている、森七菜演じる女性こそが物語の主導権を握っている。 宣伝にある、海外ロケをした、ボリビアのウユニ塩湖、チェコのプラハ、アイスランドも、そこに行くのは写真家になっている森七菜のみ。3箇所は、いずれも美しい景色で知られる所なので、美しいのは当然だが、東京の動物園や、街並みも、この映画では、美しい。そこに流れる音楽も。 だが展開される物語は、セリフのある登場人物誰もが、どこか病んでいて闇を抱えている。それを隠すために、プロモーションビデオのように美しい映像と音楽が総動員される。 見終わった直後は、ご都合主義のラブロマンスと思ったが、後から、森七菜こそが主人公で、彼女の命懸けの恋の物語だと考えると、けっこう深いのかなと思い直した。

24/3/9(土)

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