ヒラリー・ハーンが今回、演目に選ぶのはブラームスのヴァイオリン・ソナタ全曲です。もちろん、ハーンはブラームスの協奏曲を得意にして、名演奏を何度も聴かせてくれました。が、ブラームスのソナタはこれまであまり演奏していないようです。
ブラームスのソナタは、いずれも抑制した中から熱い思いが迸り出る名曲です。とりわけ第3番はスケールも大きく深い感情が高揚していきます。ハーンのヴァイオリンは怜悧にして知的、その中に深い思いをのせて歌います。ブラームスの抑制した中からあふれ出るリリシズムをハーンはどのように演奏するのでしょう。
ピアノ演奏はアンドレアス・ヘフリガー。名ピアニストですが、オールドファンには、あのエルンストの息子さんというと親近感がわくでしょう。
5月16日 東京オペラシティ・コンサートホール
5月17日 ミューザ川崎シンフォニーホール