水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

イヤな映画、主人公の悲劇がお好み

真魚 八重子

映画評論家

殺人鬼の存在証明

旧ソビエト連邦で極悪な連続殺人鬼を追う刑事のドラマ。犯人はロシアの有名な殺人鬼、アンドレイ・チカチーロなどをモデルにしている。 1991年、何者かに襲われたがかろうじて逃げ延びた女性が、森の近くで保護された。その証言によると、犯人の手口は3年前に捕まったはずの連続殺人犯のものと酷似していた。そのため以前の逮捕劇は誤認であったとわかる。担当刑事のイッサは本当の犯人の逮捕に躍起となり、新たな容疑者を逮捕するが……。本作は時間軸が何度も前後し、集中して観ていないと振り落とされそうになる。しかし痺れるように意外なオチが用意されているので、ぜひ情報を取りこぼさずに観てほしい。斜めの方向に向かっていって着地するような、思いがけないラストも意表を突かれる。

24/4/27(土)

アプリで読む