非常に面白いのだが、胸糞悪さと後味悪さでは同じデンマークのラース・フォン・トリアー監督『ダンサー・イン・ザ・ダーク』と同等か、あるいは上回るかもしれない。
イタリア旅行先で出会った気のよさそうなオランダ人夫婦に誘われて彼らの自宅に遊びに行ったデンマーク人一家は……という物語はホラー映画に良くありがちな設定で、さほど期待はせずに観はじめる人が多いだろう。中盤まではたしかに常道の脚本と演出だ。善良そうなオランダ人夫婦が突然おかしな言動をとるようになり、だんだんと主人公一家は違和感を感じるようになり……「ああ、そういう展開ね」と思わせる。
ところがラストの15分は、想像を絶する展開になる。初デートでは絶対に見に行かない方が良い素晴らしい凶作である。