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現代作曲家の立場で分かりやすく紹介

三枝 成彰

現代作曲家

コンポージアム2024

マーク=アンソニー・ターネジさんは1960年生まれ。イギリスの現代音楽を牽引する作曲家としてご活躍中です。東京オペラシティが世界の若い作曲家たちから作品を募る「武満徹作曲賞」。その2024年度の審査員として招かれたのがターネジさんであり、同賞の本選演奏会と連動して企画されたのが5月22日(水)にコンサートホールで開かれる「マーク=アンソニー・ターネジの音楽」です。指揮にポール・ダニエルさん、管弦楽に東京都交響楽団を迎えて演奏される5曲のうち3曲がターネジさんの作品で、いずれも今回が日本初演です。 ジャズからの影響を現代音楽の手法で昇華させるのはターネジ作品のひとつの特徴だとか。また、“喪失”や“追悼”も重要なモティーフであるというターネジさんが自作との組み合わせに選んだのは、ストラヴィンスキーがドビュッシーを追悼するために書いたという「管楽器のサンフォニー」(1920年版)と、作曲の恩師であるオリヴァー・ナッセンさんとの思い出があるというシベリウスの「カンツォネッタ」(ストラヴィンスキー編)。 ターネジさんの感性で形づくられる世界を堪能できる、貴重な機会となるでしょう。

24/5/12(日)

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