新国立劇場2023-24シーズンもついに最終公演。そこに持ってこられたのが、今年没後100年を迎えるイタリアのオペラ作曲家プッチーニの『トスカ』となればこれは見逃せない。 政治不安に揺れるローマを舞台に、歌姫トスカと画家カヴァラドッシの愛と運命を描いたこのオペラは、プッチーニの代表作というだけでなく、オペラ史上屈指の名作中の名作だ。なにしろ、オペラにとって不可欠な要素である「恋と、嫉妬と、裏切りと、殺人」がたっぷりと盛り込まれた物語は、誰が観ても楽しめること請け合い。 そしてこのドロドロの物語を包み込むプッチーニの音楽のなんと素晴らしいことだろう。「星は光りぬ」や「歌に生き恋に生き」など、素晴らしいアリアの宝庫であることも『トスカ』が名作といわれる所以だ。

24/6/29(土)