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お気に入り映画をイラストで紹介

高松 啓二

イラストレーター

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

1969年、アポロ11号が月面着陸に成功した。ボクは11歳でTV中継を観ていた。その後、あれはフェイクだったという都市伝説が流れ、関連映画も製作された。本作もその1本になるが、ちょいとヒネリの効いたコメディである。NASAの発射責任者コールは、ロケット打ち上げの失敗と予算超過のプレッシャーに日々追われていた。そこへNYの敏腕PRマーケティングのプロ、ケリーが送り込まれ、誇大広告のようなイメージ戦略でアポロ計画を盛り上げるが……。ケリー演じるスカーレット・ヨハンソンとコール役のチャニング・テイタムのやりとりは、往年のスクリューボールコメディのようで、丁々発止のセリフの応酬が楽しい。また、分割画面や懐メロが流れ60年代映画を思わせ、ノスタルジックムードたっぷり。劇中のCBSのキャスターのウォルター・クロンカイトやベトナム戦争のニュース映像が、当時の世相を反映している。トンデモネタから生まれた、スペクタクル、陰謀、ロマンスの全部乗せ60年代風味コメディに大満足!

24/7/18(木)

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