チャン・イーモウ監督による『三体』の映画化が話題になっているが、韓国映画でも国民的俳優ソル・ギョング主演のSF大作が登場した。といってもハリウッド映画のような派手さはなく、どちらかというと『ゼロ・グラビティ』や『オデッセイ』のような小さな傑作を想起させる。 月周回軌道への進入を目前にしながら、3人いたクルーのうち2人が事故死。ひとり残されたソヌ（EXOのド・ギョンスが熱演）を生還させるため、5年前のロケット爆発事故でセンターを去った責任者ジェグクが呼び戻される。ふたりの決死の計画がスタートするが……。 ジェグクの過去の心の傷、ソヌの自己犠牲、ジェグクの元妻で現在はNASAのディレクターを務めるムニョンが巻き起こす国を超えた連帯など、韓国映画のいいところを詰め込んだ見応えのある作品となった。豪華俳優陣の演技ももちろんだが、月などのビジュアルの美しさも特筆すべき。

24/6/30(日)