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社会を映しだす映画をわかりやすく紹介

池上 彰

ジャーナリスト、名城大学教授

劇場版 アナウンサーたちの戦争

戦争の最初の犠牲者は真実であるという言葉があります。いったん戦争が始まると、自国の被害はなるべく小さく発表し、敵軍の被害は大きく報道するからです。 戦時中の日本は、まさにその通り「大本営発表」という、いまでいうフェイクニュースを発表し続けました。それを当時のラジオ放送局だった日本放送協会のアナウンサーたちは、そのまま伝えたのです。 いや、ただ伝えるのではなく、国民の戦意を高揚させるため、勇壮な声のトーンで伝えることが求められたのです。まさに声が武器となったのです。 このとき、それまで人々に愛されてきたアナウンサーの声は、国民の信頼を裏切るものになったのではないか。 大本営発表以外に戦争の現実を探る手段がなかった当時、アナウンサーたちは、発表内容に疑いを持ちながら、発表を忠実に放送し続けました。 しかし、そこには数知れない葛藤があったのです。 毎年8月になると、“あの戦争”について伝える番組が放送されます。戦争は戦地でだけ戦われていたわけではない。アナウンサーたちにも戦争はあったのです。

24/8/16(金)

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