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水先案内人のおすすめ

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現代の名人芸を追い続けて

山本 益博

料理評論家、落語評論家、プロデューサー

鈴本演芸場 8月中席

毎夏恒例になって久しい、柳家さん喬と柳家権太楼が連日交互にトリをとり合う10日間。 二人は東京の落語界の重鎮で、現在円熟の域に達していて「重要無形文化財」レベルの落語家である。ただし、芸風は正反対と言ってよい。さん喬はしみじみと聴かせる派とするなら、権太楼は人情噺も得意とするが、長屋噺でも爆笑をとる笑い派である。先日、人形町の社会教育会館での独演会で聴いた『青菜』は、面白かった。この噺、ストーリー展開が単調で、かなりの落語家が夏になると高座にかけるものの、すでに噺を知っている客は、噺の運びにすぐに飽きてしまう。 そこを面白く聞かせるのが落語家の腕前であることを、先日の高座で改めて教えられた。 この『青菜』を権太楼が16日に演る。その日のトリは、さん喬の『たちきり』で、10日興行の1日の中で、とくにお薦めしたい。 さん喬のトリネタでは、12日の『男の花道』、20日の『子別れ』、権太楼のトリネタでは15日の『唐茄子屋政談』、17日の『宿屋の仇討』がいい。

24/8/2(金)

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