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水先案内人のおすすめ

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ユニークな選択眼!

春日 太一

映画史・時代劇研究家

ノリャン―死の海―

豊臣秀吉の朝鮮出兵における、日本の水軍を迎え撃った李舜臣(イ・スンシン)将軍の率いる朝鮮水軍の活躍を描いた、韓国の歴史劇シリーズの完結編だ。 本作では、朝鮮出兵における、そして李舜臣にとっても最後の海戦となった、ノリャンの激闘が描かれる。 このシリーズは、これまで困難だった前近代の海戦を見事なスケールで映像化してきた。一作目の『バトル・オーシャン/海上決戦』は少数で多数を打ち破る肉弾戦、二作目の『ハンサン ―龍の出現―』は大船団同士のぶつかり合い。それぞれ異なるアプローチで海戦映像の地平を切り開いてきたが、今回もまた新たな映像を見せてくれた。 それは夜戦だ。 これがまた凄い。夜だからこその限られた視界の中での両陣営の読み合いをスリリングに盛り上げ、船上に灯る無数の松明が漆黒の海を照らす映像美とあいまって戦国のロマンをかき立てる。 そして、さらなる魅力は李舜臣と対峙する日本側の武将だ。 島津義弘。戦国最強説もある薩摩軍の総帥である。 これがとにかく強い。一度は李舜臣の計略にはまるも、モノともせずに強行突破。圧倒的不利な状況を覆してしまう。実際に朝鮮軍から「鬼島津」と異名をつけられたのも納得の鬼ぶりを見せつけ、中盤以降はほぼ主人公としての活躍を繰り広げる。 もちろん悪役側ではあるので、そういう描かれ方もされているが、島津義弘は大好きな身としても満足いく無双さだった。 全国の島津ファンの皆さまにも、ぜひご覧いただきたい。

24/8/9(金)

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