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映画館の暗闇とスクリーンで観てほしい映画を紹介します!

中谷 祐介

編集者(ぴあ)

エイリアン:ロムルス

人面岩だけ見せられて「これは『エイリアン』シリーズではありません」などと無駄な強がりを聞かされた時代もありましたが、安心してください。本作は名作『エイリアン』と『エイリアン2』の間の時代を舞台にした正統なシリーズ作品です。 密室空間に若者が閉じ込められ、宇宙最恐生命体エイリアンが襲いかかる展開で、シリーズ原点回帰か?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、単なる1作目リスペクト! ではなく、他のシリーズ作の要素もフラットに取り込んで、最後の最後まで観客を飽きさせることなく引きずり回す良作になっています。 シリーズの生みの親でも、親に反発したい子世代でもなく、シリーズすべてを冷静に見て「使えるものはすべて使って自分の映画をつくる」孫世代のフェデ・アルバレスが監督を務めたことが功を奏したのかもしれません。 本シリーズの成否を分けるのは襲われる人間側の魅力にありますが、本作の主人公レインと“弟”アンディのドラマは魅力的。これまでのシリーズを観ていなくても楽しめる映画だと思います。映画館の大きなスクリーンと音響で時間いっぱい震えてください。

24/8/24(土)

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