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映画館の暗闇とスクリーンで観てほしい映画を紹介します!

中谷 祐介

編集者(ぴあ)

第46回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)

PFFの最大プログラムは世界最大級の自主映画のコンペ「PFFアワード」ですが、毎年、映画ファン垂涎の特集が組まれております。 今年は増村保造特集、80-90年代自主映画特集などありますが、個人的な注目は≪映画のはじまり 傑作選≫です。その名の通り、映画の創世記を彩ったリュミエール兄弟、メリエスなどの名作が上映されます。これらの作品は探せばネットで観られるものもありますが、この時期の作品をスクリーンで、不特定多数の観客と一緒に観るのが重要だと思います。かつて映画はこんな風に始まった。そこにあったもののうち、何が現在まで引き継がれ、何が消えたのか? 映画を観る原初的な喜び、スクリーンにデカい画が映ることの単純にして決定的な興奮が味わえるはずです。 他にも<真似っこ万歳!>と題してロベール・ブレッソンの『バルタザールどこへ行く』と、イエジー・スコリモフスキ『EO イーオー』を続けて観られるのも最高の時間になるはず! そう、映画の歴史は真似っこの歴史、人間の歴史は真似っこの歴史です。 映画のはじまりから100年以上。真似され続けて、バトンがパスされ続けて、現代の日本の自主映画にたどり着く。特集上映とPFFアワードを両方観ることで見えてくるものがある。東京・京橋で気軽に楽しめる壮大な映画体験です。

24/9/7(土)

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