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見逃せない、ちいさな芝居を中心に
釣木 文恵
演劇ライター
ヨーロッパ企画『来てけつかるべき新世界』
24/8/31(土)~24/11/9(土)
栗東芸術文化会館さきら 中ホール、 京都府立文化芸術会館、 新川文化ホール 小ホール、 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場、 本多劇場、 SkyシアターMBS、 愛知県産業労働センター ウインクあいち 大ホール、 関内ホール、 キャナルシティ劇場、 広島JMSアステールプラザ 中ホール、土佐市複合文化施設 つなーで ブルーホール、北國新聞赤羽ホール、カナモトホール
2017年の岸田國士戯曲賞を受賞した今作は、大阪・新世界に店を構える串カツ屋の娘と、彼女を取り囲む街の人びとのようすを描く人情喜劇。藤谷理子さん演じるマナツの雰囲気といい、章立ての構成といい、NHKの朝ドラを思わせるテイスト。舞台設定にもキャラクターにも昭和感が溢れているのに、そのお皿にはなぜか、SF要素もてんこもりに乗っかっているのです。 2016年の初演から8年経って、当時では考えられないほどAIが身近な存在になっています。ドローンもロボットもメタバースだって、はるか未来の非日常というわけではなくなり、シンギュラリティという単語もよく聞くようになりました。初演を観たときは新世界のおっちゃんおばちゃんたちと「新世界」の技術やシステムとのギャップに笑っていましたが、いま観るとまた違った感慨を抱くのかもしれません。2024年の「新世界」はどんな姿を見せてくれるんでしょう。
24/9/13(金)