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アニメも含め時代を象徴する映画を紹介

堀 晃和

ライター(元産経新聞)、編集者

Cloud クラウド

映画も小説も、当たり前だが、物語の展開が読めない作品は面白い。「寅さん」シリーズのように期待通りの進行に安心して感動することもある。しかし、外と隔絶された映画館にいる時は、世俗を忘れて非日常的な感覚に陥りたい。思いっきり意表を突かれたいものだ。 『Cloud クラウド』は、まさにいい意味で予想を裏切られた作品だった。冒頭からの不穏な空気は纏ったままだが、途中で“転調”し、ラストではガラリと変容した世界へと誘う。呆気にとられた。抜群におもしろい。 町工場に勤める吉井(菅田将暉)には別の顔があった。ネット空間で「ラーテル」と名乗り、出品して日銭を稼ぐ“転売ヤー”。管理職昇進の打診を機に、組織に取り込まれるのを嫌った吉井は転売を専業とするため辞職し、郊外の湖畔の一軒家で恋人と新しい生活を始める。しかし、ネットで恨みを買い、ある集団の標的にされて……。 ジャンルに当てはめると、サスペンス・スリラーとなるのだろう。ただ、黒沢清監督はそんな観客の思い込みを少しずつ壊し始める。「え?」「え?」と想像を超えた展開の連続だった。 感情を抑えた菅田将暉の演技が、自身に向けられた「狂気」を浮かび上がらせる。配役も大きな魅力だ。

24/9/23(月)

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