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イヤな映画、主人公の悲劇がお好み
真魚 八重子
映画評論家
Cloud クラウド
24/9/27(金)
TOHOシネマズ 日比谷
黒沢清監督の映画は日本を舞台にしながら、まったく我々の日常とは異空間にあるような印象を受ける。確かに見慣れた景色で、今回の主人公の職業も“転売ヤー”という卑近なものだ。それでも黒沢監督の作品を観ている間は、差し迫ってくる日本人に根深く根付いた息苦しさから、逃れられる気がする。もちろん『Cloud クラウド』はサスペンスで、フィルムノワールのように一般人同士がギャング同然の抗争を繰り広げ、自己中心的な悪女も登場する。主人公と先輩のヒリつく関係性も、当てこすりのセリフが巧みに書き込まれているが、それでも非日常の虚構性が強くて、安心して身を委ねることができる。もう現実に疲れ果ててしまったから、こういった映画に逃避できるのは至福だ。
24/9/21(土)