ベッリーニ作曲の『夢遊病の女』はベルカント・オペラを代表する傑作です。この時代のオペラにありがちな血なまぐさい内容ではなく、ただ乙女にあるまじき行為の疑いをもたれた娘が疑惑を晴らす物語ですが、そのなかに格調高く美しい歌、技巧を凝らした華やかな歌がたくさん織り込まれています。安心して楽しめるオペラといえるでしょう。
アミーナを歌うのは注目の若いソプラノ、クラウディア・ムスキオ。エルヴィーノを歌うのは日本でもおなじみの名歌手アントニーノ・シラグーザ。そこに妻屋秀和、谷口睦美といった日本を代表する名歌手が絡みます。そして、東フィルを指揮するは、世界の名だたるオペラハウスで大活躍のマウリツィオ・ベニーニ。演出はバルバラ・リュック。
きっとドラマと歌を最高度に楽しめるでしょう。