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「これは絶対に観逃してほしくない!」という“埋もらせ厳禁”な映画を紹介します
LiLiCo
タレント、映画コメンテーター
ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー
24/9/20(金)
ヒューマントラストシネマ有楽町
ロンドンのセントマーチンでの卒業制作から「天才現る」と評判だったジョン・ガリアーノは、ジバンシィやクリスチャン ディオールのデザイナーに抜擢され、一気にファッション界の革命児と呼ばれるように。ところが、2011年に一般の人に対して差別発言をしている動画が拡散され、それは有罪判決に。ブランドからは解雇され、もはやファッション界に戻ることは不可能とされてきました。その時期に彼の身に何が起き、背景には何があったか。自身の言葉で語り尽くします。 彼の功績は大量にありますが、なんせ全盛期のアーカイブの華やかさ、デザインにはうっとり。本当に素晴らしいんですよ。彼の才能に惚れ込んだのは、証言で出演するケイト・モスやナオミ・キャンベルだけでなく、ファッション界の守護神、『VOGUE』誌の名物編集長アナ・ウィンターなど。彼らもガリアーノの才能や人柄を語るんですが、大事なのはあのときに起きたことを俯瞰でみていたガリアーノ直近の人たち。世間一般の評判とは違った側面を語ります。 そこに本人自身の証言が加わることで、当時彼が持っていた影響力やキャラクターが浮き彫りに。要は彼、殺人的な仕事量をこなすために、アルコール依存に陥っていたんですよね。それゆえに、事件当時のことは詳細には覚えていないんです。 こりゃいかん!とはいえ、人は変わるもの。いくつになっても、きっかけさえあれば変わることができ、再出発できるということも理解できる作品になっています。そして、ファッションが好きな人なら垂涎のお宝映像ももりだくさん。だって、ケイト・モスのデビュー当時の話なんて、初めて聞きましたよ!
24/9/30(月)