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ピアノのスペシャリスト

高坂 はる香

音楽ライター

プラチナ・シリーズ第1回 ピエール=ロラン・エマール ~時代をリードする現代音楽の巨匠~

フランスの名手、 ピエール=ロラン・エマールが、また刺激的かつ新しく示唆に富んだプログラムを私たちに届けてくれます。 エマールは、パリでメシアンの妻イヴォンヌ・ロリオに師事し、他にも多くの同時代の作曲家と交流を持つことで知られる現代音楽の名手。リゲティとも親密で、エチュードから数曲を献呈されているほどの関係性です。 今回主軸に据えるのは、そんなリゲティの「ムジカ・リチェルカータ」と「エチュード」。これに挟む形で、ベートーヴェンのバガテルや、ショパンとドビュッシーのエチュードを置くという、実際に聴いてみないことにはどうなるのか、何が伝わってくるのか、まったく想像がつかないというプログラムです。 ちなみにリゲティのエチュードを何曲も弾くのに、エマールさんご自分に献呈されたものは入っていないというところに、偉大な作曲家との交流が日常であった名手ならではの余裕を感じてしまいます。(もしかしたら、アンコールなどでお弾きになるだろうか)

24/10/3(木)

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