音楽家としての高みを目指し、着実に自分に必要な経験を積んでいっている感のある、近年の牛田智大さん。最近は、これまで室内楽を演奏する機会がなかったということで、「室内楽プロジェクト」をスタートさせています。 そのVol.3で演奏するのは、ピアノ六重奏によるショパンのピアノ協奏曲。室内楽による協奏曲は、録音のなかった時代に作品を広く聴いてもらうため人々が行っていたこと。とくに繊細な掛け合いがあるショパンの協奏曲は、室内楽で演奏することで作品の真の姿を知ることにつながるでしょう。そんな六重奏に、牛田さんと、同世代の実力派四重奏団カルテット・アマービレ、そしてコントラバスの加藤雄太さんが取り組みます。 室内楽の経験が多くなかったとはいえ、牛田さんの繊細な耳とタッチがアンサンブルにうまく適応するのは、先のリーズ国際ピアノコンクールでの演奏からもわかる通り。当日もしっかりと音を合わせてショパンの美を届けてくれるでしょう。次の挑戦に向けた一歩を見届けながら、その場で生み出される音楽を楽しみましょう。

24/10/14(月)