老人ホームで暮らす退役軍人のバーニーは、妻レネの後押しもあってD-Day70周年記念式典に出るため、ホームを脱走してノルマンディへ旅立った。実話を基にしており、今作で引退を表明しているバーニー役のマイケル・ケインと今作が遺作となったレネ役のグレンダ・ジャクソンの終活ムービーでもある。ノルマンディ上陸作戦時、英国海軍通信兵のバーニーはソード・ビーチで上陸用舟艇に乗船していた。劇中の記念碑に刻印されているオーボエ、ピーター、クイーン、ロジャーはソード・ビーチの上陸地点を指す。特にパブでお互い戦い合った元ドイツ兵との出会いは、感動的である。実は元ドイツ兵役のヴォルフ・カーラーは、数々の第二次世界大戦映画でドイツ兵を演じており、マイケル・ケインも多くの戦争映画に出演しているだけに役と似た思いがあるからだ。余談だがフェリーでのコーラスガールが歌っていた歌は「僕たちはジークフリート線に洗濯物を干しに行く」という当時流行った軍歌である。戦争映画でたまに耳にする。

24/10/12(土)