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振り返るとイザベル・コイシュ監督は『死ぬまでにしたい10のこと』『あなたになら言える秘密のこと』など、苦境にいる女性を鋭くも温かい眼差しをもって描いてきた。本作の主人公フローレンスもまた逆境に見舞われる女性だ。 未亡人の彼女は書店が一軒もない町に本屋を開く。やがて本屋は新たな文化の発信拠点に。しかし、これを封建的な考えの町の有力者はよく思わない。結果、権力を行使して彼女を町から排除する。 権力を持つ者のおかしなプライドと自己保身が、市井の人間を排除するドラマは、不寛容が叫ばれる今...