毎回、なんだかんだと観に行ってしまう。そして驚く。にも関わらず帰り道は「これで本当にいいのか？」という気がしないでもない。それがM・ナイト・シャマラン映画です。 今回はこれまでのシャマラン映画以上に次から次に面白いことが起こる作品で、前半は「主人公が建物に閉じ込められた状態から脱出しようとする話」で、ビルを歩き周り、装備を奪い……と、シャマラン流ダイ・ハードの趣き。ツッコミどころもあるのですが、それを勢いで乗り切ってしまうのがシャマラン映画の愛らしさ。 そして後半は……予想外の展開になっていきます。シャマランには「既存のモンスターやヒーロー像を別の設定を加えて更新したい」という欲望があると私は思っているのですが、本作も主人公＝切り裂き魔の造形を何かしら新しくしたいと奮闘している痕跡が見えますので、その点にもご注目ください。 お馴染みの演出もありつつ、新機軸を見せようと奮闘するシャマラン監督のがんばりに期待して映画館におでかけください。もちろん、本人もまた出演しています。今回はセリフ多め。

24/10/22(火)