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時代と向き合う映画を鋭い視点で紹介
佐々木 俊尚
フリージャーナリスト、作家
ココでのはなし
24/11/8(金)
シネスイッチ銀座
人生の「旅の途中」としてのゲストハウスって設定が、しみじみと良い。新型コロナ禍の最中、東京の東のはずれあたりにたたずんでいる一軒家のゲストハウス「ココ」が舞台。結城貴史が元旅人のオーナーを演じ、そこに転がり込んできて住み込みのアルバイトになった山本奈衣瑠、アルバイト先が潰れて人生をさまよう三河悠冴や、親から帰国を促されている中国人女性役の生越千晴らが、宿泊客としてやってくる。ココで果実酒をたくさん漬けている吉行和子が、要所を引き締めている。全員のキャラが立っていて、どの演技も非常に素晴らしい。 旅の途中で、疲れたらちょっと休む。でもそこはゴールじゃない。旅はこれからもずっと続いていく。「休憩が大事。考えながら休んでいいのよ」 人生にちょっと疲れた人にぜひ観てほしい作品。
24/10/29(火)