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日本映画の新たな才能にフォーカス

イソガイマサト

フリーライター

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声

リドリー・スコット監督の映画はどうしていつも面白くて、安心してワクワクできるのだろう? 個人的にはコスチュームプレイも歴史スペクタクルもそんなに得意ではないのだけれど、前作のDNAをちゃんと受け継いでいる本作も例外ではなく、ドラマチックなのに重苦しくないし、多くのキャラクターが複雑に絡み合うのに人間関係が明確で分かりやすくて物語がシンプルだから手離しで熱くなれる。 ヴィランも含めたすべてのキャラクターの色分けもはっきりしていて、自分の役割を全うした俳優陣がみんな輝いているのもいい。バトルシーンのスタイルや見せ方の変化にもこだわりと狙いが感じられるから、ひたすら殴り合うだけの凡庸なアクション活劇とは違って飽きずにずっと興奮していられるのだ。 そして今回もやっぱり痺れるのは、リドリー・スコット作品ならではのワンシーン、ワンカットごとの映像センスとその美しさ。どうしてこんな画が撮れるのだろう? なぜ、このアングルで撮れたんだろう? この光と影はどこまで計算されているのだろう? そんな嬉しい驚きが連続するし、とにかくそのすべてがカッコいい!

24/11/16(土)

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