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水先案内人のおすすめ

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時代と向き合う映画を鋭い視点で紹介

佐々木 俊尚

フリージャーナリスト、作家

お坊さまと鉄砲

なかなか観る機会のないブータン映画だが、単なる物珍しさだけでなく、物語として非常に面白い。舞台となっているのは、2008年の議会選挙。 ヒマラヤ山麓にある小国ブータンは永らく鎖国を続け、王政を守り、世界からは隔離された秘境中の秘境の国だった。しかし1980年代からは国境を開いて観光客を受け入れるようになり、そしてグローバリゼーションが進む中で国王自身が王政を終わらせ、立憲君主制への移行を決断する。そしてブータンの歴史上初めての議会選挙が行われたのである。 この議会選挙が始まったのを知った徳の高いお坊さんが、「銃を用意しなさい。二丁」と弟子に命じて……というところから話はスタートする。怪しい米国人の銃コレクターなどもからみつつ、ストーリーは面白く展開していく。美しいブータンの里の風景も見物で、「選挙とは、民主主義とはなにか」というテーマをはらみつつもだれもが楽しめる作品となっている。

24/12/16(月)

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