小学校の思い出は誰もが懐かしく感じるだろう。そんなわが国の小学校に焦点を当てたドキュメンタリーだ。世田谷区立塚戸小学校を舞台に、入学した1年生と彼らを手助けする6年生を中心に、生徒と先生、また保護者の姿を交えながら、コロナ禍の2021年4月から1年間を追っている。小学校生活には教育面を中心にさまざまな事柄があるが、集団生活の規律を身につけるしつけと同時に、子供たちの好奇心や勉強意欲や能力を引き出す先生とのやりとりなどを主に巧みに展開。教室の掃除、給食の配膳、運動会などの訓練などを通して子供たちの姿が生き生きと描かれて引き込まれる。小学校6年間で管理的な規律を体得する子供たちの姿に、わが国の教育と社会のあり方が透けて見えるようで興味深い。

24/12/8(日)