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村山 章

映画ライター

JAWAN/ジャワーン

最近は『RRR』を筆頭に、南インド系の映画の日本公開が増えており、さすがにインド映画=ボリウッド映画ではない(ボリウッドは、ムンバイを中心としたヒンディー語圏の映画産業を指す言葉)という認識は広がってきたと思う。が、ボリウッドスターの筆頭、キング・カーンことシャー・ルク・カーンの認知度が、世界的な人気に比べて低くはないか? シャー・ルク・カーンは「三大カーン」のひとりでもあるのだが、『きっと、うまくいく』『PK』のアーミル・カーン、『バジュランギおじさんと、小さな迷子』のサルマン・カーンのほうが昨今の日本では認知度が高い気がしている。しかしシャー・ルク・カーンのスターオーラはほかのふたりに勝るとも劣らないし、あえて乱暴に有名スターで例えると “ボリウッドのトム・クルーズ”くらいは言っていい存在だ。 バッキバキに鍛えた身体でアクションをこなし、演技では硬軟を自在に使い分け、ときにキモいくらいの濃厚さで魅せてくれるのがクセになる。圧倒的なキメ顔、キメポーズの素晴らしさ、潤んだ瞳の切なさ、そして、ひとつの映画で一人二役や、さまざまな顔を見せることが多く、器用さも飛び抜けている。 2023年のインド映画最大のヒット作となった『JAWAN/ジャワーン』は、そんなシャー・ルク・カーンがシャー・ルク汁をほとばしらせるエンタメ超大作。民衆や虐げられた女性たちのために権力者や超富裕層を敵に回す義賊、という役どころで、ちょっとカッコよすぎるんじゃないかと思うくらいだが、さらに追いシャー・ルク・カーンを盛って盛って盛ってくる。映画スターの不在が叫ばれる昨今だからこそ、映画界最後の王道スター(かも知れない)シャー・ルク・カーンの大盤振る舞いを浴びていただきたい。

24/12/10(火)

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