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水先案内人のおすすめ

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平辻 哲也

映画ジャーナリスト

劇映画 孤独のグルメ

主演の松重豊がひたすらメシを食っているだけなのに、なぜか見入ってしまう『孤独のグルメ』シリーズ初の劇場版。「食べること」はすなわち、「生きること」。その“美味しそうメシ”には、人を本能的に突き動かすものがあるに違いない。 映画は、シリーズの魅力を最もよく知る松重が脚本・監督を手掛けた集大成。井之頭五郎がパリに住む老人が少年時代に日本で味わった幻のスープをめぐって旅をする。スープとは、赤ちゃんから老人までが味わうことができる調理法で、時に「命をつなぐもの」と称される。 映画では、薄かった物語性も重視し、ロケ地も仏パリ、長崎の離島、韓国とスケールアップ。優雅なパリ編からサバイバル要素たっぷりの長崎〜韓国編と横軸の移動を盛り込み、共演者も内田有紀、磯村勇斗、村田雄浩、塩見三省、杏、オダギリジョーと豪華。『梨泰院クラス』で知られる韓国の名優ユ・ジェミョンも特別出演。おまけに、ドラマシリーズ好きが楽しめる仕掛けもあって、まるで大盛り定食のようなボリューム感。大満足だったが、それにしても、「腹がへる」罪作りな映画である(笑)。少しお腹に入れてから、観に行った方がよい。

24/12/28(土)

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