評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
政治からアイドルまで…切り口が独創的
中川 右介
作家、編集者
FPU ~若き勇者たち~
25/1/10(金)
TOHOシネマズ 日比谷
中国のプロパガンダ映画だが、アクション娯楽映画の王道を行く大作。 実話をもとにした映画かと思ったら、完全なフィクションだった。舞台となるのはアフリカの架空の国で、政府軍と反政府組織の紛争が続いている。そこへ国連の平和維持活動に参加するために、中国の組織警察隊「FPU(Formed Police Unit)」が派遣され、その活躍を描く。 FPUの隊員たちは、最初は現地の一般市民から不審の目で見られているが、だんだん信頼されていく。そこへ、人質救出作戦、台風がせまるなかでの重要人物の護送作戦といった任務が次々とふりかかる。 部隊のなかでもいろいろ人間関係に軋轢があるという、よくあるパターンで、しかし、戦闘に突入すれば、確執やら軋轢なんか、吹き飛ばされてしまう。 FPUは警察だが、ほとんど軍隊と同じで、アクションの連続。「007」や「ミッション:インポッシブル」をよく学んでいて、VFXも使うが、身体をはってのアクションもかなりあって、見応え充分。 現実の中国という国の外交や、軍拡政策のことを思うと、複雑にはなるが、そういうのを抜きにすれば(抜きにしていいかはともかく)、娯楽映画として楽しめるのは間違いない。 それにしても、中国映画、おカネをかけられるんだなあ、経済大国は違うなあ、と思い知らされた。
25/1/8(水)