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イヤな映画、主人公の悲劇がお好み
真魚 八重子
映画評論家
ストップモーション
25/1/17(金)
シネマカリテ
世界的なストップモーションアニメーターである母スザンヌと、その下で修業を積む娘のエラ。彼女は手先が器用だったが、母のようなイマジネーションはまったくなく、ゼロからの創作ができない。そんななか母が倒れ、エラは一人で作業をするものの、やはり何も思いつかない。すると同じアパートの不思議な少女が馴れ馴れしく登場し、エラに助言をし始め、反抗心を抱きながらもエラは少女に導かれて創作に励んでいく。人には得手不得手があって、エラは作業の才能があるのに対し、オリジナリティに欠ける点で強烈な自己嫌悪に陥っている。だがこの少女が暗示するのは、エラが母親からの徹底的な抑圧によって、押し殺されたクリエイティビティなのではないか。様々な解釈ができそうだが、不気味可愛い人形がとにかく魅力的だ。
25/1/13(月)