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日本映画の新たな才能にフォーカス

イソガイマサト

フリーライター

サンセット・サンライズ

4LDKで家賃6万円。しかも家具家電完備の一軒家で、海が近いから大好きな釣りも毎日のように楽しめる。そんな神物件に惹かれて三陸地方で“お試し移住”を始めた東京のサラリーマンを通して、コロナ禍や震災、復興、地方の過疎化などの問題をユーモアを交えて描いたヒューマン・コメディ。 重くなりがちなテーマがそうならないのは、人間の強さとひたむきさ、根源的な明るさを信じているオリジナル脚本を書き下ろした宮藤官九郎と、メガホンをとった岸善幸監督(『あゝ荒野』)の眼差しによるところが大きいのかもしれない。 ある意味能天気な主人公のサラリーマン・晋作を、菅田将暉が的確な佇まいと温度で体現している点も見逃せない。深く考えず、自分の好きなこと、やりたいことを優先させる晋作の行動は軽率かもしれないけれど、菅田が演じた彼はどこか憎めないし、逆に愛らしくて、みんなを魅了していく。貰った蛸と格闘するところも(リアルに大変だったと思うけれど)微笑ましくて、そのすべてに嘘がないから、彼の気づきに観る者も素直に共感することができるのだ。 それだけに、晋作が最後に一気にまくしたてる本音が強く胸に突き刺さる。あの言葉を彼に言わせるために、それまでのシーンはあると言ってもいいだろう。

25/1/22(水)

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