写真家として有名なアメリカ出身のマン・レイ。その彼が活躍した1920年代のパリで製作した4本のアヴァンギャルド映画の4Kレストア版に、ジム・ジャームッシュとカーター・ローガンによる音楽バンド「スクワール」が即興で楽曲をつけたものである。1923年のダダイスト最後の「髭の生えた心臓の夕べ」で上映され、マン・レイによるレイヨグラフを活用した『理性への回帰』、ビアリッツの旅などから即興的に構想した『エマク・バキア』、ロベール・デスノスの詩から着想し、ゼラチンを塗ったフィルター効果などを使った『ひとで』、ノアイユ子爵の南仏の城館を舞台に謎めいた人々の行動を撮った『サイコロ城の秘密』。100年前の前衛的でシュールな映像世界と現代音楽が融合した刺激的な視覚体験が楽しい。

25/1/22(水)