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日本映画の新たな才能にフォーカス
イソガイマサト
フリーライター
ミッシング・チャイルド・ビデオテープ
25/1/24(金)
テアトル新宿
「第2回日本ホラー映画大賞」で大賞を受賞した同名の短編を、近藤亮太監督が自ら長編映画化した新次元のJホラー・ムービー(総合プロデュースは『呪怨』シリーズ、『あのコはだぁれ?』などの鬼才・清水崇)。13年前のまだ幼いころ、摩白山の廃墟でしていたかくれんぼの最中に弟の日向が失踪してしまったという過去を持つ兒玉敬太(杉田雷麟)。いまは失踪した人間を探すボランティア活動を続けている彼のもとに、ある日、疎遠だった母親から日向がいなくなる瞬間を映した古いビデオテープが送られてくるが……。 忌まわしい過去の呪縛から抜け出せない敬太と、ビデオテープから何かを感じとる霊感を持つ同居人の司(平井亜門)。さらに、何かに常に脅えている新聞記者の美琴(森田想)もふたりに深く関わるようになるが、敬太の過去を辿る3人の周りでは次々に不思議なことが起こる。敬太の実家の2階から聞こえてきた物音は何だったのか? 実家にいるはずの敬太の母親はどこに行ったのか? 探しても見つからず、地図にも載っていない廃墟は何の施設? 20年前に同じ摩白山で起きた大学登山部の集団失踪事件は日向の失踪と何か関係があるのか? さらに、何かを言い淀む地元の刑事の態度や摩白山近くの民宿の息子が口にするおぞましい話がじわじわと確実に恐怖を増幅させ、観る者の背中にねっちょりこびり着いていく。果たして何が起こっているのか? 摩白山に隠された秘密とは? そして、3人が失われた謎の廃墟でついに目撃するものとは? 前半からしっかり張られた伏線と緻密な脚本が秀逸で、身体の内側から生温かい戦慄が湧き上がる。本当の恐怖を味わいたい人にオススメ!
25/1/24(金)